第12章 キミのせい
昨日は高槻が帰ってからもずっとあのことを考えていた。
高槻は怒って家を飛び出していったのだろうか。それにしては涙目で顔が真っ赤で、とても怒っているようには見えなかった。それとも、涙が出るほど嫌な思いをさせてしまったのだろうか?
とにかく、今日謝る必要があるのだよ。
翌日、緑間は教室で一人黙りこくって考えていた。
考えても考えても答えが出ない。
気になってずっと考えていたら日付が変わり丑三つ時、おかげで寝不足だ。
「ねぇ真ちゃん!」
「……なんだ……」
「真ちゃん最近どうしたんだよ!具合悪いの?病気なの!?大丈夫!?」
「……大丈夫ではない」
あまり高尾が大きな声で叫ぶものだからクラス中の皆がこっちを見て驚いている。変な誤解を受けるだろう。
「え、まじで病気!?」
そうか、やはりオレは病気なのか。
明日学校を休んで病院に行くとしよう。
もはや動悸以前の問題だ。いろんなことが頭を駆け巡りすぎてどうしていいか分からない。
「何かあったらオレが相談のるから!言ってよ!」
心配そうに緑間に語りかける高尾。
皆そこまでオレを心配してくれているのか……
今回ばかりは感謝するとしよう。
というより、もうだめだ。
「……高尾」
「なに!?苦しい!?」
「苦しいが、大丈夫だ。放課後、言いたいことがある。」
「放課後!?今じゃダメなの!?」
「だめだ。放課後言う。」
「あー、もう分かった!覚悟して待ってる!」