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The Way【黒子のバスケ】

第11章 Come back.


ちょっと待て。何だ?この状況は。



心結は物珍しそうに緑間の部屋でぐるぐると辺りを見回していた。
初めて入る緑間の部屋に興味津々。
部屋の中は殺風景だが、本棚にはびっしりと入った本や参考書にピアノの楽譜。机の上にはノートやペン、将棋板が置いてあり、棚の上にはバスケットボールや綺麗に片付けられたラッキーアイテムと思しきものが数多く並べられていた。
そしてベッドの上にはさっきまで被っていたと思われるナイトキャップ。
高尾の部屋とは全く違う。


「真ちゃん、ほんとに家でもナイトキャップ被ってるんだね」

「当たり前なのだよ。」


一応答えてはいるが全く思考が回らない。



オレは、具合が悪いと言っただろう。
なのに何故お前がこんなところに、というよりオレの部屋にいるのだよ。


もう訳が分らない。問題は山積みだ。


また動悸がして、ぼーっとする。
とりあえず早く帰ってもらおうと緑間は口を開いた。


「で、何の用なのだよ」

「あ、そーだ。ごめんね、具合悪くて帰ったのにお邪魔しちゃって。」

「全くなのだよ。下に降りてみたら高槻がいて、びっくりしたのだよ。」

「あはは、ごめんごめん」

「だが元はと言えばオレがラッキーアイテムを忘れたのが悪い。すまなかったのだよ」

「ううん、真ちゃんのお母さんとおしゃべりするの楽しかったし平気!」


全く、何の話をしていたのだか。
最悪のタイミングで降りてきてしまったのだよ。


話を本題に戻すと、心結は辛辣な表情で緑間に語りかけた。


「……真ちゃん、最近大丈夫?」

「………?」

「最近ぼーっとしてたり話し掛けても上の空だし、バスケしてても…今日だって体調崩して帰っちゃうし、本当に大丈夫なの?」


そんなことを言いに来たらしい。
心結は心配そうな目つきで緑間に訴えかけた。


「……大丈夫だ」





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