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The Way【黒子のバスケ】

第11章 Come back.


その顔だ。
その心配そうな目でオレを見るな。


さらに鼓動が早くなって、どうにもできなくてもはや苛立ちさえ覚える。
顔が熱くなるのを感じた。


「おい真ちゃん大丈夫かよ?顔あけーしぐったりして熱あるんじゃねーの?」


そう言って高尾は緑間の額に自分の手を当てた。
そしてしばらく考え込んで、

「…うーん、オレ熱なんかそうそうださねーから分かんねぇな……」

心結に助け舟を出す。
すると心結は「ごめんね」と一言言うと背伸びをして緑間の額に手を当てた。


「!!!??」


いきなりのことに何がなんだか分からなくなる。
心結は反対の手で自分の額に手を当てて言った。


「んー、ちょっと熱いかも。最近体こわす人たくさんいるし真ちゃんも風邪じゃない?」


そうか、オレはとうとう熱を出してしまったのか。
というか、こんな至近距離で話して、その上触れられてオレは大丈夫なのか。さらに悪化したりしないか。



「真ちゃん今日はもう帰れば?最近いつもぼーっとしてるし疲れが溜まってるんだと思うよ」

「あ、帰る?だいじょぶ?お大事に!」

「監督と主将にはわたしが言っとくから帰る用意してきていいよ!」


返事をする前に心結は監督と主将のところに走って行ってしまった。
高尾も心配そうに緑間が抱えているボールを受け取ってポンポンと肩を叩いた。


その日は緑間も、何も言うことなく大人しく帰っていった。





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