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The Way【黒子のバスケ】

第11章 Come back.


それからまた数日経ってもオレはおかしいままだった。
むしろ治るどころか悪化している。



部活中の休み時間、緑間は一人ボールを持ちながらぼーっとしていた。
最近、この胸の動悸が治るどころか悪化している。
心結の祖母も無事に回復し、退院してしばらくは安静にしながらまた空の面倒を見ていた。そのおかけで心結も学校に来て部活に出ることも多くなり、緑間と以前のように顔を合わせることも自然と増えていった。

だが。
そのことがあってから緑間は少しだけ心結を避けるようになっていった。
話し掛けても入学した当初のように口を開かなかったり。無視をすることはないが話す回数も減っていった。


一緒にいたくないわけではない。
むしろ高尾と心結と、一緒にいたほうが心地いい。

でも一緒にいると変になってしまう。
だから今はどうしても避けている。

心結に出会う度、話しかけられる度申し訳ない気持ちでいっぱいになるのだ。


本当にどうしてしまったのだ。


ボールを抱えてただぼーっと一点だけを見つめていると頭がおかしくなりそうだ。



その頃、高尾と心結は隣で緑間を見つめていた。
心結は緑間の目の前で手を振る。
それでも緑間は気付かない。
高尾は後ろに置いてある緑間の大事な今日のラッキーアイテム•小説をいじっても何の反抗もない。
さすがにおかしいと思い、心結は緑間の頬をつついた。


「……!?」


やっと気付いた緑間は驚いた表情でこちらを見ている。
その顔が間抜けで、面白くて二人は笑った。


「真ちゃんwwwなんて顔してんのwww」

「ずっとぼーっとしてたよ!」



そうか、そんなにぼーっとしていたのか……
そう言われてやっと我に返った。


「ああ、すまないのだよ…」


「……真ちゃん、大丈夫?」


額を押さえて目をこすると、心結が心配そうな顔で緑間の顔を覗き込んだ。




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