第3章 朝のはじまり
日紫鬼は静かに毛を見つめると、急に立ち上がった。寝室に入ったかと思えば、置いてある刀を握りしめて出てきた。そのまま改めて座り、刀を腿の上においた
そして息を整えて、目を瞑った
日紫鬼「(……妖艶坐嬢、妖艶坐嬢…妖艶坐嬢ってば!!)」
頭の中で呼びかける。すると脳に直接語りかけてくるものが。
妖艶『なんだ。騒々しい』
日紫鬼「(この毛に妖力とか感じられる?)」
妖艶『….とても微量だが…妖怪の毛だ。だがどんな妖怪かは分からぬぞ』
日紫鬼「妖怪…」
沖「日紫鬼?」
日紫鬼「猫毛…猫妖怪。うーん…総悟、これちょっと借りてもいいかな?総悟からとか言わないから」
沖「いいですぜぇ?そのつもりで持ってきたんで」