• テキストサイズ

【R18】月島蛍は何色の夢をみるか?

第1章 キミを探して……


「次は~、八景島~、八景島~」

ヘッドホン越しに聞こえてきた目的地の名前に、珍しく自分が緊張していると感じる。

あれから、6年。

「……なに、必死になってんだか……」

冷めた声で、自分に言う。

自分が冷めた人間だって自覚はある。

そしてそんな自分が別に嫌いじゃない。

がむしゃらになる人間は、好きじゃない。

なんでそんなに必死になれるのか、理解できない。

昔高校時代にバレー部で一緒だった日向とか、どう逆立ちしても性格が合わなかった。

なのに……

「ホント、なに必死になってんだか……」

もう一度声に出して呟いたとき、電車が止まって、目の前のドアが開いた。

月島蛍は、迷うことなく長い脚で踏み出した。



/ 29ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp