第4章 散切り頭を叩いても手が赤くなるだけに決まってる/×坂田銀時
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スナックお登勢の二階に上がっていって、ソファの上に拾った女を投げ捨てた。「あぁ~~~~肩凝ったァ、死ぬゥウウ! 銀サン死んじゃうゥウウ!」
「銀ちゃん何叫んでるアル」
テレビに夢中だった神楽が此方を振り返り、ソファの人間を凝視する。
一緒にいた新八も此方を見て固まった。
「ぎぎぎ銀さん、何昼間っから女の子お持ち帰りしちゃってんですかァアア!?」
汗を大量にかいて新八はテンパっているが、疲れている銀時には説明すら面倒くさい。
女を寝かせたソファとは反対側のそれに寝っ転がり、鼻をほじる。
神楽が「落ちつくアル、ダメガネ」と彼を諌めた
「銀ちゃんに女持ち帰る甲斐性があるはずないネ。これはきっとダッチワ○フアル」
「いやいやいやいや!!! 神楽ちゃんどこでそんな単語覚えてきたんだよォ!?」
銀時は女を一瞥して、オメェ俺の大人のおもちゃ扱いされてんぞ、と一人ニヤついた。
「ダメだこの人ニヤついちゃってるよ!! 当たりだよ!! さすがに、未成年がいるのにアダルトグッツ持ち込むような人だと思いませんでしたよ銀さんんん!」
「よく出来たオモチャアル~」
うあああああと頭を抱える新八を無視して、ソファに近づく。
しげしげとそのかんばせを眺めて、袴に手を掛けた。
「銀ちゃん、ちゃんとパンツは履かせなきゃダメ……ネ……」
がばっと袴や襦袢、小袖を捲ると、現れたパンツ。
新八には刺激が強すぎると判断して銀時は彼の本体をぽいっと投げ捨てた。「え!? え!? いきなり何するんですかァ!?」
「……銀ちゃん、なんちゅーパンツ履かせてるアル」
「神楽、ちなみにそれ、ダッチ○イフじゃないからな」
銀時の言葉に驚いて、神楽は更に女の下着を凝視した。
――彼女の下着の柄は、何を隠そう唐辛子柄だったのだ。
生足を冷たい空気に晒したためか、女はぱっちりとその瞳を開け、神楽と目を合わせる。
続いて見ず知らずの男二人(片方は銀時に目隠しをされているが)に晒しだされている自らの下半身を眺め、ひっと声を漏らした。
「い、イヤァアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!?!?!?」
かぶき町に響き渡る女の声。
騒音を立てたとして、お登勢に家賃を上乗せされることを銀時はまだ知らない。
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