第3章 部活に入ろう
ーその後の黒子と火神ー
第三者side
店を出た二人は、仲良く(?)並んで歩いていた。
しばらくは黙っていた二人だったが
ふと火神が口を開く。
「キセキの世代ってのは、どんくらい強ぇんだよ?
俺が今やったらどうなる?」
「瞬殺されます」
それに即答する黒子。
「もっと違う言い方ねぇのかよ」
顔をしかめて言う火神を気にする様子もなく
黒子は淡々と話す。
「ただでさえ天才の五人が今年、それぞれ違う強豪校に進学しました。まず 間違いなく、その中のどこかが頂点に立ちます。」
「…………くくっ……ははははっ…………いいねぇ」
突然笑いだした火神を訝しげに見る黒子。
「火ぃつくぜそういうの。……決めた。そいつら全員ぶっ倒して、日本一になってやる。」
かなりかっこよく決めた火神。
…………が、しばらく考えるように黙っていた黒子が言い放った。
「無理だと思います」
「……おいっ!」
火神が威嚇するような声を上げるも、黒子は動じない。
「潜在能力だけなら分かりません。でも、今の完成度では、彼らの足元にも及ばない。…………一人では無理です」
そこで、黒子がまっすぐと火神の目を見た。
「僕も決めました。……僕は影だ。でも影は、光が強いほど濃くなり、光の白さを際立たせる。君という光の影として、僕も君を日本一にする」
火神の目が見開かれ、ひと呼吸おいてゆっくり目を閉じたあと、
不敵に鼻で笑った。
「……言うねぇ。…………勝手にしろよ。」
「頑張ります」
そう言った黒子の表情はすっきりとしていた。
……飲みきれなかったバニラシェイクを持つ水色の髪の黒子と日本人離れした身長と赤い髪の火神が並んで歩く姿は、かなり異様だったに違いないけれど。