第2章 高校生になりました
ー 4月8日(水) ー
奏side
心地良い春風に吹かれながら歩く通学路。
おろしたての制服がなんだかくすぐったい。
何回もチェックしたスカート丈。
短すぎると先輩に目をつけられそうで怖いけれど
せっかく可愛い制服だから、きちんと着こなしたくて。
新しく買ったスクールバッグ。
ダサすぎず目立ちすぎないものを吟味した。
友達はできるかな?
クラスでは上手くやっていけるかな?
不安と緊張、それから大きな期待で
昨日はなかなか寝付けなかった。
そんなことを考えているうちに、正門が見えてきて、
新入生の声かな?賑やかな声も聞こえる。
自然と背筋が伸びて、若干顔がひきつるのが分かった。
落ち着け、大丈夫大丈夫……。
軽く深呼吸をして上を見れば、眩しい青空。
視線をおろした頃には自然と気持ちも落ち着いていて
なんだかすっきりした気分。
期待に胸をふくらませ、これから3年間お世話になる私立誠凛高校の門をくぐった。