第3章 部活に入ろう
ー 4月9日(木) ー
昨日の先生曰で、部活勧誘の日は早めに登校した方がいいと言っていたから、今日は10分ほど早く家を出ている。
中学のときはこういったものがなかったからかなり楽しみだ。
学校まであと数十メートルはあるというのに、
わいわいと声が聞こえてきている。
なんだかわくわくしながら校門をくぐった。
「日本人なら野球だ「いやいや柔道!!」
「水泳!!超気持ちいいよ!!」
「サッカー部マネに入「ラグビーだーーー!」
「文芸部で本に「だまれ読書バカ共!吹奏楽部へ!」
「…………………………。」
それぞれの部活の先輩方の気迫に押されて
開いた口がふさがらない。
手元に視線を下ろすと部活のチラシがたくさん……。
あ、また一枚増えた。
………………………………。
こ、高校の部活勧誘ってどこもこんなもんなの……?
こわい、こわすぎるよ高校生……。
頂いた(押し付けられた)チラシをまとめて
スクールバッグにしまう。
辺りを見回せば、他の1年生も先輩方の勢いがありすぎる勧誘に困惑している様子だ。
私は、なるべく先輩方の視界に入らないようにしつつ
お目当ての部活の受付ブースを探すことにした。