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平凡な私と目立ちすぎる仲間たち【黒子のバスケ】

第7章 VS お父さん


ーその日の部活ー


終始無言のリコ先輩の隣でビクビクしながら
部員たちが待つ体育館へと向かう。


今日は、IH予選一回戦の相手校である新協学園高校の練習試合が近所で行われているということで、先輩と一緒に偵察へ行ってきた。

行きはある程度会話が弾んでいたけれど、試合を見終わってから、先輩のオーラがぴりぴりしている。


あの大きな人のせいかな……。

練習試合で活躍していた留学生の選手を思い浮かべていると、いつの間にか体育館へとついていた。


「ただいまー」

「ただいまもどりましたー」


リコ先輩のあとにつづいて中へ入り、挨拶をする。

中を見渡すと、コートの中心に集まってなにかを話していた様子。

やっと重たい空気から開放される、
そう思っていた矢先に降旗くんが呑気に尋ねた。


「監督ー、今日はスキップとかしたりしないんですか?」

「するかっ!!」


それにキレ気味で答え、
スクールバッグをどさりと置くリコ先輩。


さっき体育館に入った瞬間の不機嫌そうな声が
聞こえなかったのかとつっこみたい。


「ダアホ!公式戦でもへらへらしてるわけねぇだろ!」


日向先輩の呆れたような声を聞きながら、
カメラの入ったエナメルバッグをゆっくり下ろす。


「……にしても機嫌悪いな。強いのか?相手」

「秀徳に挑むどころか……今のウチじゃ一回戦すら危ういわ」


心配そうに聞く日向先輩に、重たい口調で言うリコ先輩。
みんなが息を呑むのが分かった。

日向先輩が眉をひそめて尋ねる。


「……どういうことだ?」

「ちょっとやっかいな選手がいるのよ……。
とりあえず、ビデオは後で見るとしてまず写メ見て」


リコ先輩が携帯を手渡すと、
ほかの部員もそれをのぞき込む。


……きっとびっくりするんだろうな…………。


「こ、これは…………!!



………………か、可愛いが?」



「は?」


日向先輩の予想外の感想に間抜けな声をあげてしまった。
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