【CDC企画】チョコ食べすぎたら鼻血出るってほんと!?
第1章 ほどける心
「あー、なんでバレンタインなのに授業があるわけぇ?」
今日は2月14日土曜日。
俗に言う、バレンタインというやつだ。
『バレンタインなのに、じゃなくて。土曜日なのに、じゃないの?』
朝からぼやいている友達にツッコミを入れながら、化学のプリントを解く私。
「そうだけどさ、バレンタインだよ!?乙女の一大イベントバレンタイン!!この日のためにどれだけの女子が気合入れたと思う!?なのに…」
『あー、うるさいな。さっさと宿題しなさいよ』
私と同じプリントを机に開いてはいるものの、明らかに真っ白なそれは可哀想になってしまう。
化学の自習時間。
このプリントは終わらなければ宿題というやつ。
そりゃあ終わらせますとも。
どんなにこのご友人がうるさくとも。
騒ぎ続ける友達を横目に、黙々とプリントを解き続ける。
そんな時
ブーブー
とバイブの音。
「のでしょ?」
『ラ○ンかな?』
バッグの中からスマホを取り出し、SNSを開く。
そこには私の彼氏である「及川先輩」からの通知の文字。
[及川先輩が画像を送信しました]
「誰からだった?」
『先輩から』
トーク画面を開き、画像を確認する。
『…』
どこぞのアイドルですかってぐらいパーフェクトなウインク、いつもの及川スマイル。
その腕には大量のチョコレート。
後ろには女の子もたくさん映っている。
[たいりょーです!!]
画像の後に送られてきたメッセージ。
これはなんだ、いやがらせか。
私の機嫌が一気に降下する。
[よかったですね]
それだけ送り、SNSを閉じる。
「…どしたの」
『すっごいムカつく事された、寝る』
「ふーん、んじゃ化学のプリント写させてー」
私の返事も待たず、プリントは友達の手に渡る。
そんなことはどうだっていい。
及川先輩のアレ。
きっとアレは
ささやかな復讐なんだと思う。