【CDC企画】チョコ食べすぎたら鼻血出るってほんと!?
第2章 チョコじゃなくて・・・?
甘いケーキが、ほんわりと私の心を解してくれる。
私が食べているのは、フルーツケーキ。
蛍のは、苺のショートケーキ。
蛍の好物はショートケーキだから、いつも私が譲ってあげる。
たまには食べたいんだけどな。
月「…これ」
『んむ?』
月「ホワイトチョコが入ってる」
蛍が小さな白い欠片を、生クリームと共に、フォークですくった。
それをよく見てみると、チョコレート特有の光沢がある。
『あれ、チョコ嫌いだった?』
月「…狙ってしたんじゃないの?」
『なにを?』
首を傾げると、「やっぱりはバカだよね」と呆れたように言われた。
それにむっ、となりつつもケーキを頬張る。
月「今日、何日?」
『…2月14日』
月「うん」
『…あ』
月「気づいた?」
2月14日。
バレンタインだ。
『それで機嫌悪かったの?』
月「別に悪くないデショ」
『ごめんね』
月「これで我慢してあげる」
ホワイトチョコの乗った生クリームを、私に突き出してくる。
なにこれ、あーんしろと?
意地でもしない。
そっぽを向いていると、顔をがっしり掴まれた。
月「ブサイク」
『うるひゃいばか!!』
月「あーん、しないわけ?」
まてまてまて、月島蛍くん。
今の「あーん」の表情もう一回。
めっちゃ可愛かった、めっちゃ可愛かった!!
月「?」
『あ、』
口を開けると、甘い生クリームが入ってくる。
私の口内の熱で、ゆっくり溶けていく。
おいしい!!と言おうとした瞬間、
あーんの表情のままだった私の口に、ぬるりとした感触が入ってくる。
驚いて、その状態のまま固まっていると、蛍は唇を離し、ニヤリと笑った。
月「甘い」
『…』
月「それにアホ面」
『う、うるさい!!』
今の私の顔は、ほんとうに真っ赤だろう。
なんとか、頬の熱を冷ますため、頬を両手で包むが、なんの効果もない。
月「?」
『なに!!』
月「可愛い」
『ぶわっ!?』
月「なにその、ぶわって」
クスクスと蛍は笑いながら、私に向けて手を広げた。
月「おかえり。それと、チョコありがと」
(けいぃぃぃぃぃぃぃぃぃい!!!)
(、重い…)