第11章 走る
夜眠れない私は、日中いつも眠くて、昼休みは机で寝てることが多かった。
でも最近は眠れる日も多くて、雑誌や逢坂くんに借りた本を読んでる。
今日は購買に出掛けてジュースを買おう。
中庭か屋上でも行って太陽にあたりたい気分。
……あ。
購買のそばで、楽しそうに立ち話してる逢坂くんと茜ちゃんを見つけた。
……。
何の話してるのかな…。
2人共、嬉しそうに笑って…。
仲良さそう。いい感じ。
私の逢坂くんと…。
私の…じゃない…か。
逢坂くんは優しいから私を気にかけてくれる。
でも、逢坂くんの好きな人は茜ちゃんだって私ちゃんと知ってる。
私は逢坂くんのものだけど、逢坂くんは私のものじゃない。
でも…。
私の胸がきゅっとなる。
……。
あ。
逢坂くんと目があう。
それにつられて茜ちゃんもこっちを見る。
私は登校中の茜ちゃんを習って、軽く手を振って挨拶し、その場を立ち去った。
ジュースは買い損ねちゃった。