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境界の先

第10章 甘える


彼の唇がちゅうって私の舌を吸う。

はぁ…はぁはぁ…気持ちいい

「気持ちいい? 僕にもやって」

唇を離した彼が、舌を出しておねだりする。

「うん」

頷きながら、私は彼の舌に吸いつく。

柔らかくて濡れてて熱くて…おいしい。

私は自分の唇で、その感触をたっぷり楽しむ。

「おいしい…」

唇を離して、私はつぶやく。

「おいしいの? もっと食べる?」

少し笑いながら、彼が尋ねる。

「食べたいけど…私…」

「うん」

「もっといろんなことしたい。私の身体…さわって…? なんか私、身体の中が熱い…」

口に出したら、身体の中はもっと熱くなる気がした。

「そうなんだ…。でもこれ以上したら僕は我慢出来なくなるかもしれない」

彼は私の目を見つめる。

「いいよ。じゃなくて…したい」

私の言葉に彼は少し微笑み、唇にキスする。

舌を絡ませながら、彼の手はパジャマの上から私の胸に置かれる。

置かれた手の場所からほんのり温かくなる。

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