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境界の先

第6章 泣く


ぐっ…とそこに、彼のものが差し込まれる。
入ってく。

「あっ…はぁっ! んっ……!」

身体がっ…

「はぁはぁ…痛い? 痛くない?」

彼が問いかける。

「痛いっ! 痛いぃ…!」

私はぎゅっと目をつむる。
彼の腕をぎゅっと握る。

「そんなに痛い? まだ半分しか入ってないんだけど…」

「無理っ…! やっぱりやだっ! やめてっ…」

私は必死で叫ぶ。
私の訴えに彼は答える。

「大胆なことするわりに根性がないね。本当に君は」

これって根性なの?
無理なものは無理っ…!

「やだっ…やだやだぁ…ぐすっ…」

涙がいっぱい出てくる。

「わかったわかった。もうちょっとだけ我慢して。今のままだと中途半端だから既成事実だけ作っておこう」

彼は私の脚を持ち上げて、位置を整える。

「えっ…えっ…ちょっ…やだっ…いやっ!」

彼のものがさらに深く、ぐっ…と沈み込む。

「……!」

完全に息が止まる。

「はぁ…はぁはぁ…入った…。え? 大丈夫? 息して?」

「はぁはぁっ…はぁはぁっ…痛いぃ…うぁ…ぐすっ…」

「しょうがないな…抜くよ…」

「んっ…!」

抜かれるときもすごく痛かった…!

「はぁはぁ…うぅ…ぐすぐす…ぐすんっ…」

涙がぐずぐず出てくる。

ティッシュで彼が私のその痛いとこを拭く。

「あ…血が…。本当に出るんだね、血」

なんだかうれしそうに彼が言う。

「そうなんだ…ぐすん…」

「これで君は身も心も僕のものだね」

「……うん」

彼は私の唇に口づけした。

私は…
なんだか少し幸せな気がした。

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