第2章 覚める
「死ぬ…?」
ためらいがちに、彼が復唱する。
「うん。死ぬ。私、明日自殺するの」
私は笑顔で答える。
「…何か悩みごとでもあるの?」
心配そうに彼が尋ねる。
……。
ちょっと意外な反応。
胸がきゅっとなる。
「聞いてくれるの? 逢坂くん」
私は、少し目をそらしながら、質問で返す。
「聞くよ? だって友達だろ?」
「……」
一瞬、言葉を失う。
私は後ずさりして椅子に座る。
そしてクルッと机に向かい、ベッドに背を向ける。
「そんな話しても楽しくないでしょ…」
背を向けてるけど、ちゃんと彼に聞こえる声で、私は言う。
「せっかくの楽しい夜なんだから」
私はちゃんと笑顔を作って、彼に向き直す。