第2章 リアルで乙女ゲー!?
みんなの痛すぎる視線に耐え
やっと放課後
花依ちゃんと帰るために
下駄箱を目指していた
「猪瀬さん!」
振り返ると五十嵐くんがいた
美咲「なんですか?」
五十嵐「今度の日曜暇かな?」
美咲「予定はないですけど…」
五十嵐「それじゃ、
一緒に出掛けない?」
…
美咲「どこに?」
よくわからないっていうように
美咲は首を少し傾けた
五十嵐「俺とデート」
サラっと言った
恥ずかしさもなく
隣で花依は興奮気味に
五十嵐と美咲の顔を交互に見ていた
「五十嵐!」
美咲が混乱していると
掛けてくる足音とともに
大声で五十嵐の名前が呼ばれた
七島くんだ
七島「やっぱな!
お前手ぇ早いんだよ!」
五十嵐「なんのことだか
…それで?どうする?」
七島を軽くあしらって
美咲に話しかける
美咲「え、えっと……」
急すぎて思考が
あ、焦るよ
七島「猪瀬!
それなら俺と行こうぜ!?」
五十嵐「おい、ナナ
俺が先に話してるんだけど」
七島「あぁ?」
わわっ、喧嘩してる
考える暇がないよ
美咲「その…わたし」
無理です
そう言おうとした
五十嵐/七島「で、どっち?」
え!?
行くの前提!?断り無しなの…?