第10章 地下へ
「戻ったかヴェスト!」
「ルート!」
ふいに、背後の扉の方でギルの声があがった。
フェリちゃんがかけ寄っていく。
ルートが帰ってきたんだ!
迎えるために振り返ろうとして――耀が、私に寄りかかるように倒れてきた。
慌ててすんでのところで受け止める。
「だっ大丈夫ですか!?」
そういえば目がしょぼしょぼしていたし、機械の扱いで疲れたのだろう。
「あんまり、無理しちゃダメですよ」
なにせ4000歳なんだから。
そう声をかけるが、反応がなかった。
両手はだらんと下がり、首が力無く垂れている。
私の支えでやっと立っている、というほど不安定な姿勢だ。
「……耀、さん?」
耳鳴りがする。
自分の声が反響して耳の奥を突き刺す。
……様子がおかしい。