第10章 地下へ
「菊とこいつらがあんまりにもうるさいから、しかたなく参加させてやったある」
耀は苦い顔でしぶしぶ頷いて、口をとがらせた。
「俺は二人についていくよ~」
「……本当は身内だけでやりたかった、ってそのつもりだったあるよ」
「承諾した老師のカオおもしろかったヨ」
「なにがおもしれーのかわかんねえある……」
のんきなフェリちゃんと、茶々を入れる湾ちゃん。
それと耀の様子が対照的で、少し可笑しかった。
――考えると、特にルートは、EU圏のまとめ役として活躍しそうだ。
フェリちゃんはそこについていきそう。なのに、と。
本当枢軸は仲いいなオイ。
まぁ、菊とルートが協力したら解決も早そうだ。
しかし――ならEU圏はどうなってるのだろうか?
いや、そもそも地域に縛られず、皆で協力したらいいじゃない。
……あの世界会議でスムーズに話し合いが進むとも思えないが……
それを言うと、耀は曖昧に言葉を濁した。
「そんなことより公子に礼を言わなきゃなんねーある」
「えっ?」
「菊から聞いたある。月の影響の話がすっげーヒントになって、調査が進んだあるよ!」
「そ、そうですか!」
あの話がヒントに、か。
少しでも助けになれたのだと考えると、体の奥底から力が湧いてくるような、そんな嬉しさがこみ上げた。
――ってちょっと。うまく話題を逸らされてしまった。
うーん、私の知らない事情がなにかあるのかね。