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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第9章 無理のない脱走計画を


ふいに、暗がりの闇に際立つ銀髪が現れた。

続いて、警戒心が滲むルビーの瞳。

謎素材にへたりこむ私と、ほぼ同じその目線。

――鳥さんは、いない。

「どっから? 誰の手引きで入ってきた?」

声は、耳の右から左へと完全に通り抜けていた。

実物の破壊力――何度も言っている気がするが、要は見とれてしまっていたのだ。

なんというか……なんというか……端正な顔立ちってレベルじゃねーぞ!

「おい、聞いてんのか?」

「ひゃっ! す、すすすみません!」

ハッと我に返される。

このギルベルト・バイルシュミット、まるで番犬、いや猟犬――むしろ警察犬だ。

ドーベルマンがドイツ原産だからちょうどいい。ってなにを言ってんだ私。



しかし本当に、縄張りを守る義務を背負ったボス、のような雰囲気だ。

ココはそんなにマズいとこなのか?

「えーと……」

じろじろと無遠慮に見られる。

まごまごする私。

どうしよう。

あなたの弟さんにここへ落とされました! としか言えない……。
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