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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第9章 無理のない脱走計画を







◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

「……――ぁぁぁぁぁぁああああああああああっ!」

死ぬ! マジで死ぬ!!

ぶよ~ん





「……へ?」

絶望的な気分で待ち構えていたが、衝撃はなかった。

かわりに、柔らかいソファに沈み込むような感覚がした。

もしくは低反発まくらを殴ったようなかんじ。

「なんじゃこれ」

見ると、寒天みたく透明色をした巨大なマットの上にいた。

本来の床から80センチ……いや、1メートル弱ほど段差があることから、この寒天ソファがかなり厚いことがわかる。

おそらくこれが落下の衝撃を和らげてくれたのだろう。

上を見上げると、光点が遠く小さく見える。

相当な高さを落ちてきたようだ。すごい素材ですな。

「ていうか、ここ……どこ……?」

周囲をキョロキョロする。

まるで広い洞窟だ。

謎の寒天素材以外、なにもない。

それに寒気がするほど薄暗かった。

わずかに緑がかった常夜灯が、申し訳程度に足元を照らすのみだ。

その常夜灯も、どこか不気味な煌めきを纏っている。

壁は、上に向かうにしたがい狭まっていた。

遥か頭上の光はこころもとなく、余計に孤独感が煽られる。

「誰か……」

「誰だ?」

「っ!?」

こ、この声は――
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