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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第9章 無理のない脱走計画を


そういえば、とフェリちゃんの行方を探す。

すると、私たちとはまったく逆方向に疾走している姿が見えた。

なぜかアルフレッドもそれを追っている。

「……ちょ……」

空恐ろしいことに、2人ともスピードが人間のものではない。

陸上選手が裸足で逃げ出すレベル。

というかアルは、私がまだフェリちゃんと一緒だと思ってるんだろうか?

そういえばアーサーが、4日連続徹夜明け、などと言っていたし。

ごり押しすぎる徹夜で、おかしくなりすぎたんだろうか……

ルートもそれを横目にとらえる。

しかし気にも止めず(フェリちゃんなら仕方ない)、ただ前一点だけを見据えて走っていた。

明確な目的地はあるようだ。



――突然、右前方の路地からアルフレッドが躍り出た。

「「!?」」

思わず肩がひきつり跳ね上がる。

ルートも一瞬言葉を失って、ハッと息をのみこむ。

俯きがちなアルの表情は、わからない。

が、まるで笑うように、全ての足掻きを嘲笑うかのように。

ゆっくりと、口の端がつり上がった。

「――っ!!」

ゾゾッと背中に底冷えする筋が走る。

まさか――行き先を読まれていた!?
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