第9章 無理のない脱走計画を
「フェリシアーノ!」
背後から怒号が鋭くあがる。
決死の覚悟で横目にすると、
「!?」
フェリちゃんに負けず劣らずのスピードで、ルートが追いかけてきていた。やべぇ。超怖い。どうしよう。
「なにゃにゃにゃんで!?」
フェリちゃんがかみすぎながら叫ぶ。
私もそうしたい気分だが、あいにくその暇がなかった。
青い顔のフェリちゃんは、さらにスピードをあげる。
ちょっ……もう限界……!
、、、、、、、、、、、
「復号キーは彼女の名前だ!」
「!!」
キキーッ
まさにそんな音を立てて、フェリちゃんが急停止した。
唐突に響いたルートの宣言の意味が、私には理解できない。
フェリちゃんは驚いた表情をすぐ消し、私といえば話についていけず、慣性の法則にしたがっている真っ最中。
電車での急停止よろしく激しく前のめりになっていると、
「わひゃあっ!?」
ふわっと足元がすくわれ、体が宙に舞い上がる。