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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第9章 無理のない脱走計画を


「ふばっふぇりっ――ちゃ――」

速い、凄まじく速い。ついていけない。

「頑張って!」

「待っゲホッ! ガハッ!!」

「公子ちゃん!?」

すでに私は虫の息だというのに、フェリちゃんは呼吸を乱してすらいない。

両脚がかつてないほどの速さで動いていた。

なんというか、仕方ないのだがフェリちゃんに手を引かれているせいで、急勾配の斜めな体勢だ。

一瞬でも脚を交互させるリズムが狂えば、途端に転びかねない。

うしろを振り返り追っ手を確認でもしたら、私はめでたくすっ転ぶこととなるだろう。

「もうこのような不覚はとりません」

「待て、いつの間に刀持――って抜刀すんな!! 菊と争うつもりはねぇしこっちは丸腰――」

「……――覚悟」

「ちょっ、やめっぎゃあああああああああぁぁぁぁぁぁ!」

背後から断末魔が上がる。



なにこのカオス。
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