第2章 邂逅と眩暈と
「はいはいそこまでです。病人を質問攻めにするんじゃありません」
「菊さんの言うとおりネ。あっ私は湾いうヨ、よろしくネ!」
二人の助け舟に多大なる感謝をしながら、私は頭のなかを整理する。
――結論から言うと、私はいわゆる“トリップ”をしてしまったらしい。
自分でも馬鹿げていると思うが、これ以上に適切な言いようはないと思えた。
少なくとも、現時点では。
「公子さん、具合はいかがですか?」
「へ? 具合?」
「倒れられたとき、すごい熱だったんですよ。不思議なことに今は下がっているようですが……」
「我の漢方が効いたに違いないある!」
「いや、私の看病のたまものネ~」
「俺は公子の起源だから、俺がそばにいるだけで回復するんだぜ!」
「は、はぁ……」
情けない返事をしていると、香くんがビシッと言い放った。
「とにかく、公子は先生のお粥食べ終わったら、洗いざらい全てを話す、これduty。OK?」
食べ終わったら、って。
なんだか香くんは、5人の中で1番友好的ではないように思えたた。
だからそんな優しさに、自然と笑みがこぼれた。