第2章 邂逅と眩暈と
「はい、もういいヨ~」
「ありがとうございます……」
さっきよりきつくなった腰に安心感を覚えつつ、か細い声で礼を言った。
湾ちゃんの終了(というか安全)宣言に、やっとぎこちなく男性諸氏がこちらにやってくる。
「……さきほどは湾がすまなかったある」
最初に口を開いたのは、にーにーだった。
まだ若干顔が赤い。
恥ずかしさや「か、かわいい」という邪な気持ちより、感謝と申し訳なさを覚えた。
「我は王耀。お前は誰あるか?」
「……わ、私は主人公子といいます」
うぅ、なんだかすごく居心地が悪い……
縮こまると、菊と目があった。
「公子さんは日本人でしたか、私は本田菊と申します」
――否応なく、さっきの光景が脳裏を走る。
「公子顔が赤いんだぜ?」
「いやっ! そそそんなことはっ!」
「俺はヨンスってゆうんだぜ! よろしくなんだぜーっ!」
「ちょっ!?」
全身で抱きつかれ、危うく横に倒れそうになる。
「公子反応が可愛いんだぜー!」
「ちょっとヨンス黙れ的な」
ヨンスの首根っこを掴み上げてひょいとどけたのは、大英帝国の呪いを受けし者、香くんだった。
「お前マジ誰的な? 目的は何的な? それからあの場所に現れた理由をplease」
、、、、
あの場所ってもしや……ということは――