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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第8章 In the closed closet


その二つはほとんど同時だった。

扉が開け放たれる。

眩しい光が目を突き刺す。

――明るい視界、目の前で、アルフレッドが仁王立ちしていた。

「…………」

「…………」

どこか虚ろな、キョトンとした瞳で私を見つめたアルは、なにも言わない。

私も硬直し、視線が彼に縫いつけられる。

……あ、

「ケチャップついてる」

なにを思ったのか、私はハンカチを取り出し、アルの口元をそっと拭った。

無音。誰も彼も動かない。

さながら一枚の絵のようだ。

しかしそれは、唐突に破られる。

「……」

アルが直立姿勢のまま、背中からまともにバタッと倒れた。

「…………え」

全く予期していなかった反応に、言葉を失った。

その場の全員が、口をミッフィーにして立ち尽くしていた。

しかしアーサーがバッと私を振り返り、

「いいか!? 徹夜4日目のあいつがそんな繊細なマネされたらキャパシティーオーバーでああもなるっての!!」

「余計にわけわかりませんよおおおおっ!?」
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