第8章 In the closed closet
「……今の音はなんだい?」
終わった。大変終わりました。本当にありがとうございました。
「……なんのことだ?」
「そっちの……クローゼットらへんから、なんか変な音がしただろ」
アーサーは当然とばかりに言った。
しかし、ルートはあくまでも冷静さを保とうとしている。
「おっ俺も聞こえなかったよ! ねっ、菊!」
「はい、私も聞こえませんでした。お二人の聞き間違えでは?」
逆に怪しいですお二方。
「クローゼットの中になにかあるのかい?」
好奇心にテンション高くアルが言う。
本格的に、まずい。
「中はからのはずだが」
「お腹が鳴ったみたいな音じゃないかい? よく聞くからわかるんだぞ!」
「自分のじゃねーのか?」
小馬鹿にしたようなアーサーを華麗にスルーし、
「お腹を空かせた宇宙人が飛来してきたのかもしれないぞ!」
なぜそんな考えに至った……
「お、おいッ!!」
ガタッと立ち上がる音がした。
アーサーのスコーン以上にまずい。