第7章 目覚めた場所は
「もうすぐここに本田が来る」
「うえっ!?」
「色々と話し合うことが多くてな。そのために集まる」
亜細亜組のときと同じか。
しかしなぜ世界会議ではなく、枢軸会議?
疑問が頭をもたげ始めたとき、ドアがバターンと開いた。
「聞き忘れてた~、公子ちゃんはちょっと辛いのとか大丈夫? 好き?」
現れたのは、白いコック姿に身を包み、いい匂いを漂わせているフェリちゃんだった。
コック帽をかぶっていないのが残念だが、胸元の青いリボンがかわいい。
フェリちゃんが料理を振る舞うのか。……お腹すいてきた。
ということは、何時間くらい寝てたんだろう?
「はい、好きですよ」
「そっか! えへへ~もっかい言って~」
「え? えーと好きで――」
「……」
「たっ隊長ぉギブギブ!」
無言でフェリちゃんを締め上げる隊長。んん? どしたのかしら。
「ともかく、起き上がって出てこれるか?」
「……私が出席してもいいんですか?」
若干面食らうと、逆にルートが不思議そうな顔をした。
「主人が来なくてどうする」
いやー“異変”に詳しい皆さんの中に、私ごときが紛れ込んでもねぇ。お邪魔になる気が……
「主人がいたら本田が大喜びするな」
「そ、そんなことは」
ないだろ。いや、ないだろ。
なんやかんやで。
フェリちゃんに呼ばれ、店内に入って席についたのはそれから十数分後のことだった。