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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第7章 目覚めた場所は


本当に、なにをやってるんだろう。

来て早々に体調を崩し、迷惑をかけ、命の恩人を困らせ――なにをしに来たんだ。

しゃくりあげながら、謝る言葉を繰り返した。悔しさと申し訳なさと、情けなさでいっぱいだった。

「すまない、こっ、こういう時どうしたらいいのか――」

ルートは目をまわして言葉につまっていた。

うろたえ動転しきっている。

このままでは、むしろルートが泣いてしまいそうだ。

いろんな意味でダメだ、この状況をなんとかしなければ――

「すみません顔洗って出直してきますっ!!」

返事を待たずバターンっとドアを開け放ち、外に飛び出した。

つまりお手洗いに行きたいということだ。

泣き顔を早く回復させないと――

冷水でどうにか顔をもとの状態にし、しばらくして戻った。






「質問に戻るが、いいか?」

戻った私に、ためらいがちに尋ねてくるルート。

土下座したくなりながら、私は全力で頷いた。

「主人は一週間前、本田家に現れたあの主人か?」

「!?」

「……やはりそのようだな」

驚愕する私に確信を得たようだ。ルートは頷く。

というか、一週間だと?

菊と別れてから一日すら経ってないのに。

時間の流れの違いが、うまく理解できない。

困惑している私にルートは続けた。

「本田から話を聞いている。まさかこんなに早く対面できるとは思わなかったが……その……自由に行き来できるようになったのか?」

「おそらくですが、行くことはできます。帰ることはまだ……」

「そうか。どうやったんだ?」

「よくわからないんですが、ラジオをつけたら来れました」

「ふむ、ラジオか……。持ってきてるか?」

「……すみません、持ってません」

「いや、いい」

ルートは失敗を許す上官のように言った。

馬鹿者! と叱ってくれれば、どんなに良かったか。更に申し訳なくなる。

というかルートは、私の与太話を信じた菊の与太話(失礼)を信じたのだろうか? フェリちゃんは?




そして仮説だが、触れているものは、一緒に移動できる。

湯のみや服がそうだった。

でなければ私は、どこかのお兄さんのように、裸で飛び回る羽目になったろう。

なのに、二度目はきちんと持っていたラジオが、ない。

……どういうことなんだろう。
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