第7章 目覚めた場所は
「そうだ、公子ちゃんをあの像から助けたのはルートなんだよ!」
「えぇっ!?」
「別に言わなくてもいいだろ……」
フェリちゃんの言葉に、なんとも言えない表情のルート。
さすがだよね~といったフェリちゃんのほんわりした笑顔に、ますますなんとも言えない表情を濃くさせるルート。
――そういうことだったのか。
それからフェリちゃんに、食べ物の好みやら趣味やら、質問攻撃を受けていたが、
「そろそろ料理に戻ったらどうだ」
「ヴェー……そうだね、じゃまたあとで!」
ルートの言葉で、フェリちゃんは部屋をあとにした。
「……」
「……」
残されたルートと私。彼はさっきから、何かを言いたそうにしていた。
「その……とりあえずいくつか質問するがいいか?」
「はっ、はい!」
敬礼しそうになるのをぐっとこらえ、続きを待つ。
「今日のことはなにも知らなかったのか?」
「……知りませんでした」
いきなりわけがわからない。
今日だって? 私には今日がいつだかもわからないよ……。