第7章 目覚めた場所は
しかしあいにく、このような過度のスキンシップに慣れていない。
なので曖昧に微笑んでいると、更にイタリア男の追撃が来た。
「俺運命を感じるんだ! 君みたいな可愛い女の子と出会えたなんて、奇跡じゃ――ふぎゃ!」
「すまない、迷惑をかけたようだな」
フェリちゃんの首に技をキメる、威圧感の塊が現れる。
見上げると、厳めしく寄った眉に、氷のように薄い水色の瞳が私をとらえた。
ルートヴィッヒ、その人だった。
「具合はどうだ?」
「お……おかげさまで大分よくなりました」
「そうか、ならよかった」
安堵にルートは口元を緩める。
碧眼が優しげな光を映した。
にしても素晴らしいムキムキ。飛びつきたい大胸筋だ。
「そうだ、名前教えて?」
「もっ申し遅れました、主人公子です」
「公子ちゃんか、俺はフェリシアーノ! こっちのムキムキはルートっていうんだ」
「もっとまともな紹介をしろ!」
「ヴェー、怖い顔するけどいいやつだよ、よろしくね!」
想像通りのやりとりに笑みがこぼれる。
握手をして、ここがフェリちゃんの傘下(?)のレストランであり、今日は貸し切りであることを聞いた。