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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第47章 『臨時ニュースをお伝えします。』


なんの脈絡もなく、突然だった。

かわいらしくにっこりと笑って、携帯を取り出すみたいに、なにげなくポケットから銃を取り出して。

そして撃った。

止める間もなかった。

我に返ったアルフレッドが銃を構え、その銃口がとらえたのは、――別人だった。

彼女の瞳は困惑と、怯えに沈んでいた。

こうやって、今の自分がそのときの記憶をリプレイすれば、“別人だ”ってわかるのに。



『君を信じたのは間違いだった!』



彼女に放った言葉が、脳内でリフレインする。

「彼女に、ひどいことを言ってしまったよ……」

「……私は、お二方ともが、ちゃんと話す必要があると思います」

「俺の話なんて、もう聞いてくれないかも……」

うつむくと、下がる視線が菊の腕をとらえる。

長袖の下に、まだ包帯を巻いているだろうか。

アルフレッドの銃弾がかすった傷は軽傷だったが、彼女は、アルフレッドが菊にしたことにも怒っているはずだ。

自分が彼女の立場なら、考えるまでもないことだった。

「おや珍しい。貴重なネガティブアルフレッドさんが見られるとは」

「菊……!」

「ふふ、すみません。でも、そんな心配をしなくても大丈夫ですよ」

いたずらっぽく菊が笑う。どこか老獪さも感じさせる表情が、今は頼もしく感じてしまう。

「公子さんは、アルフレッドさんのことが大好きですから」

「ほ、本当かい?」

「もちろんです。この"私”が言うんですよ」

フン、と鼻息をひとつして、胸までちょっと張ってみせる菊。

その言葉と表情が、菊がそう言うのなら、本当にそうなんだろうと思わせてくれて――視界が急速にぼやけていった。

「き、菊うう~~~~!!」

「おやおや」

わあっと泣きつけば、よしよしと頭を撫でられる。

「頑張りましたね」という言葉に、緊張の糸がやっと途切れた気がした。

堰をきったように溢れる涙が、黒くて嫌な感情を洗い流してくれるようだった。
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