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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第44章 Aiming for an “APPLE”


気づくと、菊たちはゴーストタウンから戻ってきていた。

マシューや自分を治療するため、菊が救急依頼をかけようとした瞬間、アルフレッドの端末がアラートを報せた。

それは、ニューヨークの街で大規模な機械の誤作動が発生している、というものだった。

悪運極まることに、菊たちがゴーストタウンから戻ってきたのは、ニューヨークだった。

交通網は軒並みマヒ、ドクターヘリも電子制御で墜落の危険がある。

仕方なく近くの病院まで自分たちの足(と言ってもアーサーが運転する車でだが)で行くことにしたが、このとおり、大渋滞である。

「大丈夫ですからね、もうすぐ病院に着きますから」

「……」

菊は後部座席に優しく声をかけた。

バックミラーに映るのは、ひどく憔悴した様子のアルフレッドだ。

隣で眠るマシューの手を握りながら、唇を堅く結んで顔を真っ青にしている。

さっきから、ずっとこんな感じだ。

アラートを報せてきた上司は、アルフレッドの状態を見て「事態の収拾はこちらでします」と言ってきた。

今は兄弟に付き添ってあげてくださいと、そんな建前で。

マシューの怪我は一刻を争うものではない。

ただ、怪我をした不可解な状況と、この異変の下では、何が命取りになるかわからない。

――ロヴィーノという“前例”がある。
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