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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第44章 Aiming for an “APPLE”


遠くに見える電波塔。

そこに、中央コンピューターなるものがあるという。

バルトの面々は、それを“APPLE”と呼んでいた。

全てのマシンを統べるもの。

すなわち、存在する全ての電子機器に接続することができる端末だという。

「本当にそんなものがあるんですか?」

「ええ。O・N・ネウを名乗る者からそれを探すように言われたんです。以来ずっと追っています。僕たちが大国と渡り合えるカードになり得ますから」

エドは肩をすくめ、一度言葉を切った。

「……それと、公子さんに……謝らなければならないことがあります」

エドは急に改まって、私の目を真っ直ぐ見つめてきた。

「公子さんがあのときあそこに現れることは、事前に知っていました」

「え……?」

「僕たちは公子さんが鍵になるというメッセージを受けて、声をかけたに過ぎません。プログラムを作動させるために利用したようなものです。助けただなんて、とても――」

エドがうつむく。

ディスプレイ越しの2人も、なんだか雰囲気が重たい。

事前に知っていたというのは驚いた。

けれど、咎めるような気持ちは微塵も起きなかった。

だって彼らの行動は、ほかでもない、彼らの国民のためだからだ。
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