第44章 Aiming for an “APPLE”
もっと大きく言えば、世界のためでもある。
むしろ、
「異世界人の私を巻き込んでしまって申し訳ない」
なんていうエドたちの気持ちを察知して、そのよそよそしさにちょっと悲しくなったくらいだ。
だから――
「皆さんにとっては異変解決のためだったのでしょうけど、あのときエドァルドさんに会えて、私、すごくホッとしたんです」
それは心から湧いてきた、嘘偽りない言葉だった。
「だからそんなに気に病まないでください」
「公子さん……」
「走って逃げてきてすごく不安でしたけど、私は嬉しかったです。エドァルドさんに会えて」
「……その、異変解決のためだけじゃないですよ! 僕もこうやって、公子さんと話してみたかったです」
「ありがとうございます」
慌て出したエドがおかしくて、なんだか場違いに笑みがこぼれる。
そんな私に、エドはバツが悪そうに頬をかいた。
照れているらしく、頬が朱を帯びて、口元が緩んでいる。