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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第43章 In the Ghost town


「ここはプログラムの中で、僕たちは“異変”に関係するある端末からアクセスしています。
今日、何者かから『鍵を使い、プログラムを起動せよ』とのメッセージがありました。
端末上で勝手に解凍された隠しファイルに、公子さんが持っていた“double edged sword program”というチップを読み込ませると、ここにアクセスが可能になりました。
それまでは、このようなプログラムの存在さえ僕たちは知りませんでしたが……」

エドはよどみなく、しかしゆっくりと言った。

ひどく疲弊した様子のヨンスを気遣ってのことだろう。

「現実世界では、あなたと香さんは行方不明となっています。どうやってここに来たのか、なぜここにいて怪我をしているのか、教えてくれますか」

「……わからない……気づいたら、この家にいて……」

ヨンスは怪我をしていない方の手で頭を抱えながら、もう片方の手をきつく握りしめていた。

圧迫のあまり白くなり、手のひらに爪が食い込んでしまいそうだったので、とっさにその手をとる。

両の手のひらでヨンスの手を挟むと、彼は少しだけ肩をびくっとさせた。

その手は冷たく、小さく震えていた。

「私たち、力になりたいんです」



――香は、どこに?



何よりも大きな疑問を読み取ったのか、ヨンスは祈るように一度目をつむる。

大きく息をつくと、ゆっくりと話し始めた。



どこの国のものかはわからないが、とあるプログラムのパスワードを解析していたこと。

その最中に謎の電話があり、気がついたらこの家にいたこと。

外を調べていたら香の様子がおかしくなり、突然ナイフで斬りつけられたこと。

無我夢中で駆け戻ったら、私たちが現れた――そういう経緯らしい。
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