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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第43章 In the Ghost town


ハッとヨンスが目を覚ます。

と同時にガバッと起き上がろうとしたので、慌てて優しくベッドに押し戻した。

上半身だけを起こしたヨンスの呼吸は荒く、肩で息をしている。

汗びっしょりで、酷い悪夢からやっと覚めたようだった。

「大丈夫? だいぶうなされていましたけど……」

「…………」

瞳も表情も、憔悴しきっていた。

その顔が、ゆっくりと私の方に向く。

今にも泣きだしそうに、ヨンスの眉が歪む。

「俺が……もっと慎重に、もっと調べていたら……」

「起きたばかりで申し訳ないのですが、どういう状況なんでしょうか?」

後ろから気遣わし気に声をかけたのは、エドだった。

手には替えの濡れタオルを持っている。

ヨンスのおでこから落ちたものと交換するためだ。



私とエドが到着したとき、ヨンスは頭と肩から血を流していた。

身を守るようにナイフを握りしめていたが、数秒ももたず倒れ、気を失ってしまった。

すぐに、私が探し出した救急箱を使って、エドが手当をしてくれた。

深手ではないようだったけれど、熱もあるようだし、何より精神状態が普通じゃない。

そもそもプログラム内で怪我をするのかとか、なんで救急箱の位置が私の記憶とおりなのかとか、疑問は新たに追加されるばかりなんだけど――。

そんな「?」だらけの私を察してか、エドはゆっくりと話し始めた。
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