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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第42章 諸刃の刃の切っ先で 


ライヴィスにうながされ、私は部屋に足を踏み入れた。

地下室特有の、少しひんやりとした空気に包まれる。

機械の排熱用ファンか、部屋全体の換気用ファンのおかげか、かすかな風の流れを感じた。

O・N・ネウ。

聞き覚えのある名前だ。

確か、ネットで有名な、異変関連で預言者とか言われてる人だったっけ。

「驚きましたよ。“これ”の演算能力は、現在我々が持つ技術をゆうに超えているんです」

エドァルドの言葉を聞きながら、ふとポケットに違和感を感じた。

ほんのりと熱い。

手で探ると、あっ、とひとりでに声が出る。



「公子さん、“あちら側”から何か受け取ったのではありませんか?」



その問いと、私がポケットから“それ”を取り出したのは同時だった。

「それは……!?」

3人が近づいてくる。

私はアーサー(偽)から渡された、黒いチップを手のひらに出した。

熱源はこれだ。

どうしてか、心臓がドキドキする。





『“double edged sword”』

『彼らを救いたいなら、それを使え』





奴の、美麗すぎるクイーンズイングリッシュな発音を思い出す。
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