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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第41章 暗鬼による確信による、


「今ここから最短距離で行ける、最も安全な場所です。ひとまずそこへお連れしてもいいですか?」

「は、はい……でもいいんでしょうか……」

不安そうに返答される。

一瞬その意図がわからなかったが、はたと思い至った。

どうやら彼女は、自分がバルトアジト(仮称)に踏み入ることで、その安全性を損なうのではないかと危惧しているようだった。

的確に罪悪感を刺激され、思わず呻きそうになる。

「公子さん、迷惑になるかもだなんて、そんなこと思わないでください。
そもそも僕たちは根本的に、自分たちのために動いているのですから」

「自分たちのため……」

「はい。つまりは異変解決のため、公子さんの……力を借りようとしている」

我ながら、卑怯な言い方だ。

内心で自嘲気味に笑う。

「そんな、そのために……力になりたくて来たんですから……っ」

公子はそう言うのが精いっぱいのように、言葉を絞りだした。

なにかを懸命に堪えた、泣きそうな眉が愛想笑いを作る。

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