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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第41章 暗鬼による確信による、


ここに来るまでにあった出来事は、あまり愉快なものではなかったのだろう。

それにもしかしたら、“彼女の世界”に何かあったのかもしれない。

話してもらえるかわからない。

だが、エドァルドたちは、それをきっと知らなければならない。



――この人に、今以上の重荷を背負わせることになろうとも。



トーリスが、フロントミラー越しに心配そうな視線を公子にむける。

そしてそのまま、視線をこちらによこしてきた。 

エドァルドはそれに応え、手始めに自分たちの状況から説明することにした。



“異変”に関する不穏な情報が入り、あの場にいたこと。

これからバルト三国会議で集まるところだったこと。

そしてロシアの諜報員がいたこと。



「諜報員と公子さんの接触は避けるべきと思ったので、ひとまず車内に案内しました」

「いえ……ちょうどイヴァンさんから逃げて来たような状況でしたから、助かりました」

「それは、本当に大変でしたね……少し休んでいきませんか? とてもお疲れのようですし」

「あ、ありがとうございます、ご迷惑でなければ……」

泣きそうな笑みを浮かべて、公子はそう言った。

罪悪感がまた、ずし、と重みを増してエドァルドの胸の底に沈む。



――それでも、残された時間はあと僅かだ。



窓の外を流れていく景色を見ながら、エドァルドは携帯を握りしめた。
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