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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第41章 暗鬼による確信による、


「あの、どこへ向かってるんですか?」

公子から遠慮がちに問われ、トーリスが少し困った視線をよこしてきた。

しょうがない。

助手席から体をやや乗りだし、後部座席の公子と目を合わせる。

「いろいろと説明不足のまま車に乗せてしまってすみません。改めて、エドァルド・フォンヴォックといいます。運転手をしているのはトーリス・ロリナイティスさんです」

フロントミラー越しにトーリスがにこっとした。

公子も恥ずかしそうに会釈を返している。

「今向かっているのは、僕、トーリスさん、ライヴィスの……そうですね、アジトです」

「アジト?」

公子がポカンとおうむ返しする。

その様子が可愛らしかったのか、トーリスがふにゃっと微笑んだ。

いやそこ、和んでいる場合じゃないぞ。

「もとはイヴァンさん対策のためのものだったのですが、今は例によって異変対策会議用のアジトとなっています」

「イヴァンさん対策なことにはかわりないんですけどね」

ため息混じりにトーリスが呟いた。

そのとおりである。
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