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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第41章 暗鬼による確信による、






◆◇◆◇◆◇◆◇

後部座席に転がり込んだ公子を確認し、エドァルドはトーリスに目配せする。

トーリスは一度頷くと、車を発車させた。

静かに動き出す車内で、彼女がほう、と息をつくのが聞こえた。

フロントミラーから見える彼女は、緊張という緊張がとけ、完全に脱力しているようだった。

表情筋も休み中らしく、ぽけーっとした顔で口も半開きである。

無理もない。

今までの経緯からして、彼女にとって、この車内は最も安全な場所になったはずだ。

それは、エドァルドたちが信頼に値する人物だから。

エドァルドは公子をよく知らないが、きっと、公子はエドァルドをよく知っているから――

そう思うと、なんとなく誇らしいような、どこかフワフワした嬉しさを覚える。



――だが、すぐに罪悪感が重くのし掛かってきた。



「エアコンきつくないですか?」

「……あっ、はい! 大丈夫です!」

トーリスの問いに、我に返ったように公子が答える。

自分たちは、彼女を”助けた”とはとても言えない。

それに、あの人物。

以前からマークしていた、ロシアの諜報員だ。

エドァルドたちが入手した情報を知っているのだろうか?

それとも、”数値“にありありと現れてしまったんだろうか?
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