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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第39章 錯綜と進む針と






◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

「あ、これなんかいいんじゃない?」

「誰が着るかンなもんっ!」

「ちがうって、公子ちゃんにだって」

「あ゛!? あー……悪くねぇと思うが――」

「なに~? それとも坊ちゃんが着たかったの? このかわいいワ・ン・ピー・ス」

「てめぇ……今ここでその顎更地にされてぇのか……」

アーサーはフランシスとともに、会議場にほど近いショッピングモールに来ていた。

会議が一旦休憩状態になったところで、フランシスから外出に誘われたのだ。

到着が遅れている国もあり、再開まではそれなりの時間を要しそうだった。

そういう事情もあり、仕方なくアーサーは付き合ってやることにした。

まさか、服を見にこんなところに来るとは思っていなかったが、同時に、フランシスの目的は別にあるのではとも思った(これだけもまぁありうる……)。

マシューのことについて、誰がどのくらい情報を掴んでいるのかはわからない。

だが、フランシスもまた、アルフレッドの違和感に、なにか勘付いたのかもしれなかった。

腕を掴んできたアルフレッドの顔を思いだす。

いやに素直で、弱みをみせるような物言いは、ぜんぜん彼らしくなかった。

「……で、なにが目的なんだよ」

不機嫌そのものの声で尋ねる。

うきうきと服を選んでいたフランシスは、腹の立つわざとらしいため息をついた。
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