第4章 夢かうつつか?
「そういうことでしたら……お断りするわけにもいきませんね」
渋々と菊は頷いた。
「ありがとうございます」
本当は、お風呂での事件への罪悪感のようななにか――それも動機だった。
しかし口にするのも恥ずかしいため
――菊自身が呼び捨ての件も含め、なにも言ってこないため――
私は黙って、清純な女の子よろしく微笑していた。
それでは、と菊が口を開く。
「異変について、もう少し具体的な話をしましょう」
言いながら、一枚の紙を私にさしだした。
……あれ?
紙上部に『極秘』といかついハンコが見えるんですが。
ちょっと本田さん大丈夫なのこれ。
紙には3つの異変が、簡単にまとめられていた。
その文字量は多くはない。
こともなげに、菊は口を開いた。