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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第28章 on the planned system


それはまるで、赤い絵の具をぶちまけたようだった。

致死量を軽く超えているであろう鮮血が、アスファルトに飛び散っている。

建物の外壁や、窓にまで赤が飛んでいた。

どうやったらここまでなるのか、想像できなかったし――想像したくもなかった。

立ちこめるむわっとした鉄の匂い。

それが体にまとわりついて、えずきそうになる。

「ロヴィ……?」

けれど、そう呼ばれた彼の姿がなかった。

ただ殺人現場のような血だまりと、彼が持っていた銃が落ちているだけだった。

茫然としたアントーニョが、ぎこちない動作で銃を拾う。

その銃も血に濡れていて、かすかに煙のような匂いがした。

「なん……で……」

アントーニョが震える声を絞り出す。

彼の視線は、銃に縫いつけられていた。
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