• テキストサイズ

【ヘタリア】周波数0325【APH】

第3章 月夜にて


アーサーの叫びもむなしく、菊と耀は怪訝そうだ。

見てはいけないものを見るような二人の視線に、アーサーはやりきれない。

ひとつため息をついた。

気を取り直し、アーサーも封筒を出す。

「すまねぇが、今回もこれといった数字は出なかった」

「いえ、いつもありがとうございます」

菊は丁寧に封筒を受け取った。



――ここ3ヶ月ほど調査を続けているが、芳しい結果は出ていない。



二人は焦りを感じ始めていた。

果たしてこの調査に意味はあるのか?

その答えは、得たくもあり、また得たくもないものだった。

空気が重くなる。

慌てたアーサーは、小さな紙袋を差しだした。

「あっ、あとこの前菊が興味持ってたハーブティー持ってきたぜ」

「え? そ、そんなお気遣いなく……」

「いや、たまたま家にあったからついでにって……ついでだからな!」

「わざわざすみません、ありがとうございます」

菊は申し訳なさげに受け取る。

丁寧な包装に(露骨な人だな……)と相変わらず思う菊だった。
/ 378ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp