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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第28章 on the planned system


チャキ、というひどく現実的な音が、私を呼び戻す。

気づくと二人は、私を囲むように立っていた。

背を向かい合わせて、前方を厳しく見据えている。

その手では、黒い金属が硬い光を放っていた。

――銃だ。

「なにがどうなってるのかサッパリやけど、あんましよくないってことはわかるで。空気がピリピリしてるしなあ」

絶句する私に気づいていないのか、アントーニョが朗々と言った。

対してロヴィーノは銃を構えて、油断なくあたりに目を配っている。

緊張に張りつめた瞳は、ゴーストタウンへの本能的な恐怖が映りこんでいた。

無音、そして無人。
       、、、、、、、、、
だというのに、誰かに見られているというぞわぞわした感覚。

なぜ銃なんかを持っているのか、という疑問より、ロヴィーノがどれだけの恐怖に耐えているのかが気がかりだった。

「来たことがあるって、ここがどこか知ってるん?」

アントーニョに普段と変わらぬ声色で問われ、周りを見渡す。

前回――アーサーたち5人と移動し、ギル(のような人物)を見かけた――と同じような街並みに思えた。

西洋風の建物、道路、街路樹、無表情な曇り空。

見覚えがあるが、それだけだ。

「どこか、はわかりません。でもじっとしていれば、すぐ戻れるはずです。だから――」

続く声が途切れる。

くるっと振り返ってきたロヴィーノが、唇に人さし指を立てていた。

その指先は、微かに震えているようにも見えた。
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