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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第27章 By the turning point


ギルは口の端をひきつらせて固まっている。

ルートは思考停止しているのか、ものすごい無表情だ。

アーサーに至っては、チンピラが眉をいかめしくさせるような。

ミルクティーを飲んだら、砂糖と塩が間違われていたような。

そんな顔をしていた。

ブォン、という音が空気を裂く。

見ると、エリザがフライパンを握っていた。

俯いているため表情は窺えない。

ギルがハッとして、弾かれたようにまくし立てた。

「お、落ち着け、これには深いわけがあってよ! 決してやましいことをしたわけじゃねぇんだ!」

言いつつ、ギルが一歩後ずさる。

その動作で、ますます彼の言葉の信頼性が地に墜ちていく。

沈黙のベールを脱いで、ゆっくりとエリザが顔をあげた。

彼女は、暗殺者のように無慈悲で、裁判官のように冷厳な瞳をしていた。

そして静かに、宣告が下る。

「言い遺すことはそれだけか?」

「ちょ、待ってくれ俺は――ぎゃああああああああああああああぁぁぁぁぁ」

会議場いっぱいに、ギルの断末魔が響き渡った。
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